母の賃貸物件探し

退職する頃を機に住まいを移さないかと、母にはずっと言い続けていました。

長年気楽に一人住まいをしてきたので、今更子供や孫と同居と言うのもしんどい部分もあるでしょうから、私か弟のどちらかに少しでも近い方に越してくれればとも言っていました。

田舎住まいの弟より、街中に住んでいるこちらの方が、生活面でも楽だろうとは言っていたのですが、突然「そっちへ行くわ♪」と。

そこから大急ぎで武蔵境の物件探しです。60歳を超えた女一人ですから、エレベータのあるワンルームマンションで、管理人さんが常駐しているようなところが良いと思い、不動産屋さんに相談しつつ、先に3件ほど主人と二人で物件周りをしました。

それぞれの間取りや家賃などを母に報告して選んで貰った物件を改めて内覧しに行こうと思っていたんですが、話しているうちに母とこちらの拘りには少し差があることに気付きました。

昔人間だからでしょうか、第一の希望は陽当たり。第二の希望は押入れの広さ。そうなると、今時のワンルームは全て却下ということになります。

押入れがある物件なんて言うのは、かなり古いものか家族向きの大きめのマンションになってしまいます。新しい条件を持って、再び武蔵境の賃貸物件を不動産屋さんに探して貰いました。

結局、築40年以上たつ昔ながらの長屋に落ち着くことになりました。

こちらが暮らしやすいだろうと思ったイチオシのバリアフリーのワンルームは、やはり受け付けて貰えませんでした。

家探しから引っ越しまで一ヶ月半と言う期間は、今考えると早すぎたとも思いますし、もう少し時間を掛けて探せばもっと条件に合うところもあったのかと。

でも、長年住み慣れた家の形というのは、人間そうは簡単に変えられないんだと言うことを、あらためて知る機会にもなりましたが、元々引っ越し魔のようなところがあり思い立ったら即行動の母に、こちらがかなり引きずり回された感じの物件探しになりました。